無事、友達と再開した初日の夜、事件がおこった。
朝方4時、頭近くにある階段の方から水が吹き出してるような水道管が高い音を出して震えているような音がする。
しかし起きて確認してみても何も変わったことはない。多分隣の部屋で何かしてんのかな?迷惑な話だこんな時間に。と思いながら再び眠りにつく。
1時間ぐらい音と格闘しながら寝ようとしてたぐらいか、なんだか下の階が騒がしい。フランス語で何か喋ってる。
ドカドカと足音が自分たちのいる上の階に上がってきた。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
ドアが壊れるんじゃないかという強さで誰かが隣の部屋のドアを叩いてる。
数回叩いた時、中から隣に住む女性が叫んだ(友達が後で翻訳してくれた。)
「なによあんた達!こんな朝っぱらから!」
「ファイヤーマンだ!」
「嘘だ!信じないわよ!警察呼ぶわよ!」
「ああ、呼べばいいさ!俺たちはファイヤーマンだ!」
「本当に警察呼ぶからね!」
「じゃあ、呼べよ!また新しくファイヤーマンがくるだけだけどな!」
そんなやり取りを繰り返し、観念したのか女性がドアを開ける。
全く周りに気を配ってる様子が無く、大声で会話してる。
会話を聞いてると急に友達が「Oh…please…..」と一言。
その後、数秒置いてまたデカイ音が響き渡る。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
ついに来てしまったこの部屋に。。。
叩く音がうるさ過ぎてこっちが返事しても聞こえない為か一向にやめる気配がない。
家主がやっとこさドアを開けて、少し話したらそのまま土足でズカズカ入ってきた。ずっと続いてる水の音がする方に行き、階段周辺を調べる。
階段の下にスペースがあるのがわかり、開けたいからドライバーを貸してくれと一言。
??
そう。彼らは下の階の人に呼ばれてこの水の音を止めに来た。
手ぶらで
さすがヨーロッパ。そしてドライバーでネジを取り外し階段下に入る為に板を取り外さないといけないのだが、もちろんそこには取っ手なんかない。
そしてちょっと覗いて見た瞬間何かを隙間に入れて板を引っ張り出そうとしてる。
手に持ってるものをよく見ると・・・
包丁・・・
人んちの包丁を使い頑張って板を外そうとしているではないか。包丁はひん曲がり今に折れてもおかしく無いような様。
なんとか板を外し、その先に水のタンクを発見。どうやらそこから水が勢いよくもれていた模様。
タンクのバブルを閉め、多分修理するまでお湯は使えないよと言葉を残し去っていった。
どうやら下の階に水が漏れておりファイヤーマンを呼んだらしい。
水を止める為にファイヤーマン??と思ったが、フランスではとりあえず何かあったらファイヤーマンを呼ぶらしい。彼らはなんでもできるのだとか。手ぶらで。
そして彼らが帰って静かになったのでもう一眠りし、起きると異変に気づく。
水が出ない・・・
彼らはお湯では無く水の元栓を閉めていったようだ。トイレにも行けないし、料理もできない。
食事は外食かパンを買ってきてサンドイッチで済ませ、トイレはお店のトイレを借りてなんとか修理屋が来るまで1日以上過ごした。
そしてやっと修理屋のおっちゃんが来る。
このおっちゃんも土足で入ってきて、タンクを交換しなければならないとわかるやいなや、買えて再びタンクと作業員を連れてやってきた。
土足で入って、タンクを取り外しにかかる。水漏れを防ぐために置いてた雑巾を近くにあった鍋の中に投げ込み、ノコギリでギコギコ何かを切ってタンクを設置。トータルで30分程で帰っていった。
ゴミはそのまま。鍋の中には雑巾。
これがフランスか。
友達はこの散らかっら部屋の状況を一瞥し、一言。
Welcome to France.
2月末にミュンヘン行くよ