遠回りしつつも、やっとこさイタリア入り

ワインとトリュフを堪能できた夢のような一日にまだ興奮冷め止まぬままヒッチハイクでイタリアへ向かう。泊めてくれた人もヒッチハイカーなのでハイウェイ沿いのとてもいい場所を教えてくれた。

待つ事数分で何台かの車は止まってくれたがほとんどマルセイユ行きの車だった。簡単に説明するとマルセイユ経由の道を通ると海沿いを通らなければならないのでちょっと遠回りになる。できれば海沿いを行かないニースまで直進できるルートを選びたい。

しかし1時間ほど待っても止まってくれる車は全てマルセイユ行き。。。小さな街なのでここからニースまで行く様な人はあまりいないのかもしれない。

とりあえずハイウェイに乗らなければ遠くまで行く車は捕まえられないと思い、次に止まってくれた車にハイウェイ沿いのパーキングまで連れて行ってもらうことにした。

そしてやってきたパーキングはトイレしかない小さなもの。ちょくちょく車は止まっているので直接交渉をすることができた。

が、全てマルセイユ行き。。。

そこまで遠くに行く人はこんな小さなパーキングでは止まらないのか。。。そんな事が頭をよぎり不安になる。

次にパーキングに入ってきた犬を連れた老夫婦に尋ねてみる。全く英語は通じない。地図を見せながらどっちに行くの?こっちに行くなら次のガソリンスタンドまで連れてって!と伝える。理解してもらえたのか、向こうも旦那に聞いてみるからちょっと待ってねとジェスチャーで教えてくれた。

フランス語で何かしら会話してる。OKをしてくれたのか車のスペースを開け始めた。やった!これで先に進める!と喜びながら車に乗り込む。

が、何やら様子がおかしい。

思ってた方向と違う方向に進んでる。。。マルセイユに。。。

何故か次のガソリンスタンドまでって事だけ伝わってて自分達がニースに行きたいということは伝わってない。。。文句言おうにも乗せてくれてる訳だし、やっぱりそんな事は言えない。がんばって話しかけて来る老夫婦に苦笑いを返すのが精一杯だった。。。なんでそんな勘違いしたんだろうか。ジェスチャーは結構得意なはずなのに。

気を取り直して到着したガソリンスタンドでコーヒーを飲む。かなり無駄に時間を費やしてしまったのでなんとか取り返さなければと思いヒッチハイク再開。

しかしほとんど断られる。何かがおかしい。やっぱり都市部に近いと人の警戒心が強いのかもしれない。挙げ句の果てにはお金払える?とまで。。。

なんかガッカリだ。とてもいいイメージがあった南フランスだがマルセイユに入ってからはずっと違和感を感じてた。ここまで来て悪いイメージでフランスを終えたくない。

そう思いつつヒッチハイクの直談判を頑張る。

ニースに行きたい!
→あー、ニースまでこの道繋がってるから合ってるよ。

次のガソリンスタンドまで!
→ガソリンならここで入れられるよ。

英語が少し話せる人と話しても何故か話が噛み合わない。なんなんだこれはこいつらバカなのか?もうこっちは爆発寸前だった。

だけどどうすることもできない。ここはハイウェイ上のガソリンスタンドなのでヒッチハイクを知るしか選択肢がない。冷静になって考えてみた。

どうも向こうにこっちがヒッチハイクをしてるということが伝わってない事が多い。親指立ててヒッチハイクと言っても首をかしげるだけ。何故だろう。

原因は地図だった。言葉が通じないから積極的に地図を見せて会話しようとしていたのが良くなかった。向こうはこっちも普通の車持ちの旅行者と思っていたのである。ただ道を聞きたいだけなのだと。さらに言えばフランスではヒッチハイクの事をストップという。これを地図を見せながらヒッチハイクと言ってたので意味がわからなかったのだろう。

地図を終い、ボードに行き先を書いて再び交渉。それが功を奏したのかどうかはわからないが若いカップルが直ぐに話しかけて来てくれて乗せてくれた。もうこの時点でかなり気疲れをしておりクタクタだった。向こうは英語が話せたので色々と会話をしたがこっちから積極的に話すことが出来なかった。申し訳ない。。。

もうお昼は過ぎて2時頃、これだけヒッチハイクをしてやっと来れた場所はマルセイユの隣の街。
マルセイユにいた時にこっち方面へヒッチハイクをしていれば30分で来れた様な場所だ。もう悲しくなってくる。結果的には行って帰ってきたという形になった。あのトリュフとワインの体験がなければとっくに心が折れてしまってただろう。

そして降ろしてくれたガソリンスタンドもちょっと厄介な場所にあった。ガソリンスタンドの裏にはIKEAがありみんなそこ目当てでやってくる。ハイウェイ上にあるこのガソリンスタンドには遠くまで行く様な人はほとんど来ない。その事実に気づくまで1時間以上もここで時間を費やしてしまった。

幸いこのガソリンスタンドからIKEAへは歩いて行ける様になっていたのでギャンブルに近いがここでハイウェイを出ることに。闇雲に歩いてポイントを探すのも嫌だったので隣接するショッピングモールでwifiを拾いヒッチハイクポイントを探す。こんな場所ではhitchwikiにも情報がなかったので今までの経験と勘が頼り。

見当がついたのでバックパックを背負ってなんとかそこまで移動。今思えば良くあの状況であれだけ歩いたなと思う。おそらく先に進みたいという気持ちが強かったんだろう。

本当に運が良かった。あまりいい場所ではなかったにもかかわらず若い女性が運転する一台の車が止まってくれた。しかもニース付近まで。ここで一気に距離を稼げた。ちなみに車はベンツ。こういうことがあると今までの努力や失敗が一気に報われる。やっぱり人を信じなければと再認識させられる。ヒッチハイクは奥が深い。

ニース手前の大きなサービスエリアで降ろしてもらい、ここで一休み。ここなら人の出入りも多くヒッチハイクは簡単だろう。本当に運が良かった。

一気に疲れも吹っ飛び新たな気持ちでヒッチハイクを再開!いい笑顔も作れた!
そしてすぐさま一台の車が乗せてくれた。しかも行き先はイタリア国境!!結果的に遠回りして正解だったのかもしれない。こんなことが起きたらあの老夫婦のことまであれで正解なんだと思えてしまう。

まさに人生!近道しても遠回りしても辿り着く先は先は一つ!いい出会いがあれば遠回りも正解。必ずや近道が正解とは限らないんだな。ヒッチハイクは奥が深い!

この人は英語も喋れて本当にいい人だった。仕事は崖崩れを防止する仕事をしてるんだとか。やっぱり自然を相手に生活してる人はいい人ばかりだ。
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通り道だからという理由でモナコを見下ろせる絶景スポットにも連れて行ってくれた。
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反対側にはニース。
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この日は本当に天気が良く絶景を満喫することができた。

さて、あともうちょっとでイタリア。
最初はモナコ周辺までという話だったけど、結局イタリアの国境まで行ってくれることに。
最初はどうなることかと思ったけど結果的にはイタリア入り。本当に良かった。ツイてた!

さあ、久しぶりのイタリア。コーヒーとパスタをたのしみます。

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